この記事のまとめ
- 患者さんは、来院する前に「口コミ」「先生がどんな人か」「料金」を確かめています。
- 最初の画面は、保険診療なら「診療時間・電話・予約」、自由診療なら「得意なこと(専門性)」と「無料カウンセリング」。
- 先生やスタッフは、載せられるだけ載せる。信頼は、最初はゼロだからです。
- 医療広告ガイドライン(体験談・ビフォーアフター・比較)を守ったうえで、言い方を工夫する。
- 作ったあとは、Googleマップと内容をそろえて、アクセス数から見ていきます。
患者さんは、クリニックのホームページのどこを見ていますか?
いちばんは、口コミと、「担当する先生がどんな人か」です。
患者さんは、来院する前に、口コミやGoogleマップの評価を調べてきます。あわせて、先生の経験が豊富か、担当する先生はどういう人か、も見ています。自分の体に関わることだからです。
クリニックによっては、担当する先生が日によって変わることもあると思います。それでも患者さんにとってのポイントは、安心して、技術を持った人にやってもらえるかどうかです。
美容クリニックになると、「うまい・下手」の口コミまで見て、評価している人もいます。
料金のページも、よく見られている
私は美容クリニックで広告を任されていたとき、現場にも通っていました。そこでも、患者さんが気にしていたのは、やはり金額です。
料金のページは、よく見られています。ただ、詳しく書いているクリニックもあれば、書いていないクリニックもあります。
そして実際には、カウンセリングで先生が見て、「こうした方がいいんじゃないか」と話しながら決めていくことが多いです。ホームページで料金を見て、最後は現場で決める。患者さんの動きは、こういう流れです。
選ばれるクリニックは、「分かりやすい」
選ばれるクリニックと、選ばれないクリニックのホームページのちがいは、ひと言でいうと分かりやすさです。
① 自分のことだと分かる
最初の画面で、「自分に関係ある」と思える。
② 先生やスタッフが分かる
どんな人が診てくれるのかが、顔と言葉で分かる。
③ 時間とお金が分かる
どれくらいかかるか、いくらくらいかが分かる。
この3つを、このあとの章で1つずつ見ていきます。
最初の画面(ファーストビュー)には、何を置けばいいですか?
保険診療か、自由診療かで変わります。
保険診療のクリニック
診療時間、電話、予約のボタンが必須です。今日・明日に行けるかを確かめに来る人が多いからです。
自由診療のクリニック(美容クリニックなど)
無料カウンセリングを探している人には、その人にとってのメリットを最初に見せます。たとえば「小顔に特化」「脂肪吸引の専門」のように、得意なこと(専門性)が伝わるものがいいです。
最初の画面で離れてしまうのは、「自分ごと」にならないとき
最初の画面で、患者さんが「自分のことだ」と思えないと、すぐに離れてしまいます。自分に必要だ、自分のことを言っている、自分のためになる。そう思ってもらえるかどうかです。
たとえば「業界歴30年」と大きく書いたとします。技術に不安がある人には、届くこともあります。
でも、患者さんが本当に知りたいのは、30年という年数ではありません。失敗しないかどうか、うまいかどうかです。だから、それをちゃんと証明できるものを置くのがいちばんです。
ワンポイント
これは、医療に限りません。たとえば運送業の会社は、ホームページに「思い」を書いてしまいがちです。でも、取引先が気にしているのは「無事故」「過去何十年、事故がありません」のような、決まった日にちゃんと届けてくれる証拠です。相手が知りたいことから書く、というのは、どの業種でも同じです。
診療内容や料金のページは、どう書けばいいですか?
症状(自分が当てはまるか)、時間、お金。この3つは必須です。
患者さんは、診療内容のページで「自分の症状に当てはまるか」を確かめます。そのうえで、どれくらい時間がかかるか、いくらかかるかを知りたがっています。
自由診療の料金は、載せるか載せないかで意見が分かれる
自由診療の料金は、「〇〇円から」と書く方法もあると思います。
ただ、料金を載せるかどうかは、現場でも意見が分かれます。カウンセラーさんの成約率がどれくらいか、どんなルートで来た人が成約しやすいか。こうしたことを見て、判断しているからです。
なので、正解は1つではなく、そのクリニックの雰囲気や、カウンセリングの形に合わせて変えるのがいいと、私は考えています。
先生やスタッフの写真・紹介は、載せられるだけ載せる
先生やスタッフの写真と紹介は、載せられるなら、載せられるだけ載せた方がいいです。
患者さんにとっては、相手が分かることが、とても大事です。初めてのクリニックへの信頼は、最初はゼロです。それを積み上げるために、先生やスタッフの紹介は欠かせません。
医療のホームページで、気をつけることは何ですか?
医療広告ガイドラインに、引っかからないようにすること。これは必須です。
美容クリニックの広告では、体験談、ビフォーアフター、「No.1」のような言葉は、医療広告ガイドラインに引っかかるので使えませんでした。
Web広告の場合、審査が自動で入ります。そして「ダメでした」という結果しか分からないこともあります。ルールが分からない人が作ると、ずっと引っかかったままになり、ページを作ってから広告を出せるまでに、1か月以上かかることも、普通にあります。
医療広告ガイドラインの、おもなルール
ここからは、厚生労働省の資料で確かめた、一般的なルールです。
クリニックのホームページも、対象です
医療広告のルールは、チラシや看板だけでなく、クリニックのウェブサイトにも当てはまります。厚生労働省は、ウェブサイトの具体的な例をまとめた「事例解説書」も出しています。
① 患者さんの体験談は、載せられない
患者さんの主観にもとづく、治療の内容や効果の体験談は、広告に載せることが禁止されています。
② ビフォーアフターの写真は、説明なしでは載せられない
写真だけを載せるのはNGです。通常必要とされる治療の内容、費用、主なリスクや副作用などの詳しい説明を一緒に載せた場合は、広告できるとされています。
③ ほかのクリニックと比べて「優れている」とは言えない
ほかのクリニックより優れていると比べる広告(比較優良広告)は、禁止されています。
※ 出典:厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)」「医療広告等ガイドライン」(令和8年3月30日最終改正)、「医療法における病院等の広告規制について」
ワンポイント
ガイドラインでは、個人のSNSや、第三者が運営する口コミサイトへの体験談は、クリニックがお金を払って載せてもらっているなどの事情がなければ、広告には当たらないとされています。だからこそ、Googleマップなどの口コミが、患者さんの判断材料になっています。
ルールを気にしすぎて、何も書けなくなっている場合
ルールを気にしすぎて、何も書けなくなっているクリニックも、なくはないと思います。
ガイドラインには沿う必要がありますが、「ここまで書いたらOK」という、はっきりした線があるわけではありません。ガイドラインの中の、解釈の仕方で変わる部分もあります。迷ったときは、ガイドラインと、厚生労働省の資料で確かめるのがいいです。
私の場合、「痩せる」「なくなる」とは絶対に言いません。「こういう効果が期待されています」のような書き方にしています。
ホームページを作ったあとは、何をすればいいですか?
まず、Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)と、ホームページに書いてある内容をそろえます。
診療時間、休診日、電話番号、場所。ホームページとGoogleマップでちがっていると、患者さんは迷ってしまいます。
※ 参考:Google ビジネスプロフィール ヘルプ「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」(住所や営業時間など、できるだけ多くの情報を正しく入力することがすすめられています)
見る数字は、まずアクセス数
予約や問い合わせを増やすために、最初に絶対に見ないといけないのは、ホームページのアクセス数です。
患者さんは、事前に調べるからこそ予約を入れてくれます。だから、事前に調べてくれる人がどれくらいいるか、増えているかを、最初に確かめます。
まずは、とにかく母数を増やすこと。 露出を増やして、知ってもらうことを、最初に徹底的にやります。
そのうえで、どのページがいちばん読まれているか、どのページを読んだ人が問い合わせにつながっているか、と細かく見ていきます。
開業前なら、数か月前から用意する
開業するなら、ホームページは数か月前から用意するのがおすすめです。
ホームページを作ったからといって、すぐに効果が出たり、すぐに検索に出たりはしないからです。Googleマップも一緒に準備して、開業の前から、いろいろ手を打っておくのがいいと思います。
今のホームページを、患者さんの目で確かめる
自分のクリニックのホームページを、患者さんになったつもりでスマホで開いて、確かめてみてください。
- 最初の画面で、何の診療科か・得意なことが分かるか
- 診療時間・電話・予約ボタンが、すぐ見つかるか(保険診療)
- 先生やスタッフの写真と紹介があるか
- 診療内容のページに、症状・時間・お金が書いてあるか
- 体験談や「No.1」を載せていないか
- Googleマップと、診療時間・電話番号が同じか
よくある質問
小さなクリニックでも、ホームページは必要ですか?
必要です。 患者さんは、来院する前に、口コミや先生のことを調べてきます。そのときに、クリニックのことが分かる場所がないと、比べてもらうことすらできません。
予約システムは、入れた方がいいですか?
間違いなく、入れた方がいいと思います。 ただ、入れなくても回るかどうかは、クリニックの形によって変わるので、一概には言えません。
ホームページの制作費は、どれくらいかかりますか?
クリニックの場合、必要な情報は10ページほどになることが多く、60万〜120万円くらいが、ひとつの目安です。 そこから機能を足していくと、少しずつ増えていきます。
COCOROの場合は、5ページの構成で60万円〜、10ページの構成で120万円〜(税抜)です。くわしくは、ホームページ制作のページをご覧ください。
おわりに
患者さんは、来院する前に、スマホで「ここに任せて大丈夫か」を確かめています。
口コミ、先生、料金。その答えが、最初の画面とよく見るページにあるか。まずは、患者さんのつもりで、自分のクリニックのホームページを開いてみてください。
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